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いつからだろうか。
俺の投げるものは野球の球ではなく鉄の塊。
火薬の詰められた手榴弾となっていた。
右肩はすでに限界に達している。
上官に言われるがまま敵陣に向け投げ続ける。
そして俺は、
もう二度と野球ができなくなった。
戦場で敵の攻撃を受け俺は死んでしまった。
肉体は朽ち果て、自慢だった右肩は吹き飛んだ。
あぁ、
最後くらいせめて
あのグラウンドで死にたかった。
野球が
もっとしたかった。
神様。
もし神がいるのならば、
俺に、
もう一度野球のできる体をくれ。
そのときがくるまで、
おやすみ。
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