一章 双魂

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魂「……はぁ」 二階堂魂(ニカイドウ ソウル)は今日も大きな溜め息をついていた。 ここは三重県立伊勢高校。 伊勢神宮などで有名なあの伊勢市だ。 魂は小学生の時から野球を始め、今まで一日も欠かすことなく日々練習に打ち込んできた。 そして高校生活最後である三年生になった今でもだ。 しかし、 そんな魂は、 「おい!雑草!ぼーっとしてないで真面目に球拾いしろ!」 万年球拾いの補欠だった。 真面目で努力家な魂は誰よりも練習するのだが野球は誰よりも下手だったのだ。 同級生からも後輩からも『雑草』と呼ばれる。 『雑草魂』ってとこから取ってそう呼んでいるらしい。
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