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ワグナの放った炎は勢いを増し、アベルの家に火事を起こした。
「くっ…人の家に火ぃ付けるとは穏やかじゃないねぇ…」
アベルは火の粉を振り払いながら顔を引きつらせた。
「家から飛び出したところを狙うつもりでしょう。取り囲んでるようですし…」
「しかし、ここにいても焼け死ぬだけです。ここはヤツらを迎撃するしかない!」
エドの意見にシルカとアベルが頷いた。
「そうだな。なら俺と騎士さんで道を開ける。姫さんはルーサを叩き起こして付いてきてくれ」
「え…は…はい…」
シルカは弱々しく返事をしてルーサの寝てる部屋を急いだ。
「すまない、アベル殿。巻き込ませてしまったな」
「いいよ……アンタら助けた時からこうなる事は覚悟していた。さて……と、俺の家を燃やしてくれた連中に痛い目に合ってもらいましょうか!」
「……なら……手伝いましょう!」
アベルは魔導書を、エドは槍を取り出し、家の外へ飛び出した。
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