第一章 追われる者

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ワグナの放った炎は勢いを増し、アベルの家に火事を起こした。 「くっ…人の家に火ぃ付けるとは穏やかじゃないねぇ…」 アベルは火の粉を振り払いながら顔を引きつらせた。 「家から飛び出したところを狙うつもりでしょう。取り囲んでるようですし…」 「しかし、ここにいても焼け死ぬだけです。ここはヤツらを迎撃するしかない!」 エドの意見にシルカとアベルが頷いた。 「そうだな。なら俺と騎士さんで道を開ける。姫さんはルーサを叩き起こして付いてきてくれ」 「え…は…はい…」 シルカは弱々しく返事をしてルーサの寝てる部屋を急いだ。 「すまない、アベル殿。巻き込ませてしまったな」 「いいよ……アンタら助けた時からこうなる事は覚悟していた。さて……と、俺の家を燃やしてくれた連中に痛い目に合ってもらいましょうか!」 「……なら……手伝いましょう!」 アベルは魔導書を、エドは槍を取り出し、家の外へ飛び出した。
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