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「ガハッ…」
ワグナが寝返りを打って仰向けになり、血を吐いた。
「今の食らって生きてるか……」
「安心しろ……もう動けん。しかし…古の闇魔法……まさか使い手がいたとはな…」
闇魔法……雷や炎とは違う負の力。他の魔法より遥かに難解で、使い手は少ないが、その威力は絶大。
アベルはその数少ない闇魔法の使い手だった。しかし、負の力を扱う闇は、他者からは忌み嫌われやすい。そのため雷魔法も習得し、身を守ってきたのだ。
「さて、俺にトドメを刺せ。失敗したんだ、どの道俺は………ア゙ッ!?」
ワグナが言い終わる前に首筋に当て身して気絶させた。
「悪いね。無抵抗のヤツにトドメを刺すのは嫌いなんだ」
「ク……ソ…が…ッ」
ワグナはそう言い捨てるとドサッと音を立てて静かに倒れた。
ちょうどその頃、エドが敵を片付けて戻ってきた。
「そちらも終わりましたね」
「ああ、この先でルーサ達が待ってる。急ごう」
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