序章

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ある日の夜… 一人の姫君を連れて森の中で馬を飛ばす二人の騎士の姿があった。 一人は立派な鎧を着た中年の騎将、もう一人は若い従騎士だ。 「くっ!もう追い付いて来たか!」 将校騎士の一人が、後ろを見ると、数人の騎兵と竜騎士が迫ってきていた。 「エド!」 「ハッ!なんでしょうゼノ将軍!」 「ここはワシが食い止める!おまえはこのまま国境を越えろ!…できるな?」 それを聞いた姫君は息をつまらせた。 「…!!ダメよ!それではゼノが……!」 「姫様を頼んだぞ!」 「はっ!命に替えても…!」 ゼノはエドの返事を聞くや否や、ゼノは馬の首を反し、姫の言葉に耳を傾けず、敵勢に向かって行った。 「エド!引き返しなさい!命令よ!」 エドの後ろに乗ってる姫が訴えるが、エドは馬を躊躇いなく走らせた。 「シルカ姫、将軍の意図をお察しください!」 「そんな……ゼノまで……!いやぁぁぁぁ…!」 シルカの叫びがコダマする中、竜騎士が一人、二人に襲い掛かった。 空中を飛んで、ゼノの足止めを躱したのだろう。 「くっ!姫様、伏せて!」 エドはすぐに槍を抜いて、竜騎士の攻撃を弾いた。 「相手は一人…姫は守り切ってみせる!」
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