序章

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「ガキッ」と武器が衝突し、エドが竜騎士を押し返す。 「見つけたぞ!」 竜騎士がエドから距離を取り、上空から滑空しながら突進してきた。 その突進に合わせエドは手槍を投げるが、竜騎士はそれをヒラりと躱し、長槍を構えてエドに突進してきた。 無理に攻撃に転じたせいで隙が生じて躱しきれず、腹部に深く長槍が突き刺さった。 「ぐぁっ……くっ!」 「エド!?」 呻きながらも、エドはすぐに体勢を立て直し、竜騎士と距離を取った。 同時に、これ以上戦うのは不利と悟ったため、馬の首を返して逃げた。 「エド…傷は…」 「……問題ありません…」 虚勢を貼っては言ってみたものの、顔色が悪く、傷からは痛々しく血が流れている。 その上、相手は竜騎士だ。森の中では馬より飛竜の方が遥かに機動力があるため、追い付かれるのは時間の問題。 出血で意識が薄れゆく中、必死に馬を走らせたエドだったが、次の瞬間、手槍が上空から飛んできて、エドの背中に刺さった。 「ぐぁっ……」 「っ……エドーっ!」 その激痛で、エドは気を失った。
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