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「そんな!エド、エド!?」
シルカが呼び掛けるも、エドからは何の反応もない。
そこに先程の竜騎士が、降り立つ。
「全く……この竜騎士レバンにここまで手間を取らせやがって!さぁ、シルカ姫?こちらへ…例のモノを…」
レバンは飛竜から降りて、ゆっくりと歩きながら手を差し伸べた。
ジリジリとシルカが後退する。
「貴殿らに欠片を渡すくらいなら……敗北を選びます」
「もう一度言います。こちらへ」
レバンは今度は優しく、しかし少しイラついて言った。
その時だ。
「制裁の稲妻……エルサンダー!」
「「!!?」」
突如、レバンの足元に雷が落ちた。
振り返るとそこに、黒いマントを羽織った男が立っていた。顔はフードに隠れて見えないが、まだ16、7くらいの青年だ。
「ここから立ち去れ!さもないと今度は確実に当てる!」
「くっ!雷魔導士か!相性が悪い!どこのどいつか知らんが覚えてろ!」
と言い捨て、飛竜に乗ってどこかへ飛んでいってしまった。
「……た、助かったの?」
シルカは気が抜けたのか、ヘナッと座り込んでしまった。
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