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そうこうしてる内に夕方…
日が落ちてきて、森の暗闇も増してゆく頃…
森からは黒い鎧を着た兵士達が数人、アベルの家を包囲するかのようにうごめいていた。
「ようやく見つけたぜ。俺の獲物がよぉ……」
「ワグナ様、我々だけで勝手に動いていいのでしょうか?もしネサロス様に見つかったら……」
上官と思われる魔導士に、兵士が不安げに訊ねた。
「構わねぇよ。厄介な将校騎士は消えたんだ。後はまだ経験浅い新米騎士と姫君だけだぜ?俺達でも、舐めて掛かって釣りが来る相手だ。
上手く『欠片』が手に入れば、俺の大手柄……上手くいけば昇格…ククク……」
「ワグナ様…?」
不気味に笑うワグナに問いた兵士だが、ワグナはそれをさらりと流して無視した。
「…さぁて…と、まずは俺があの家に魔法をブチ込むから、出てきたところをやっちまえ!」
「は…はっ!」
兵士は一言敬礼して配置に着いた。
その頃、アベルの家ではエドが窓から様子を見ていた。
「来ましたね………」
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