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エドはすぐに部屋を飛び出してシルカに知らせた。
「シルカ姫、どうやらヤツらに見つかってしまったようです」
「……そのようですね。狙いは恐らく私の持つ『欠片』……ですが、アベルさん達を巻き込む訳にはいきませんし…」
「時は一刻を争います。私がなんとかしますから、姫は裏口から…」
「何の相談かな、お二人さん?」
「「!!」」
突然、エドの背後の壁からアベルが現われた。
そしてアベルは壁に寄り掛かってニッコリしながら言った。
「話はだいたい聞かせてもらった。つまり、外の連中はそこの姫さんの持つ『何か』を狙って来てる訳だな?」
「……ええ」
「そいつは連中の手に渡ったらマズい物なのか?」
それを問うとシルカは沈黙した。
その代わりにエドが口を開いた。
「はい!ヤツらの手に渡れば国が……いや、大陸全土に危機が訪れるでしょう」
「……にわかには信じれんな……まぁいい。騎士さん、敵の数は?」
「暗くてよく見えないが、そんなに数はいないハズです。兵種は槍兵や戦士が多いように見えましたが…」
それを聞いてアベルを少し考え込んだ。
その時だ。
『エルファイヤー!』
ワグナの放った魔法が、爆音とともにアベルの家の玄関扉を吹っ飛ばした。
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