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兄が一人暮らしをする
といい始めたのは、僕が14の時の二月ぐらいかな。
最初に聞いた時はあぁそうなんだ。
なんてあまり深く考えなかった。
「俺、三月に家出ていくわ。」
兄がその言葉を家族に伝えた時、両親は反対してた。
僕にはその理由がわかる。
確かに20歳、一人暮らしをするには丁度いい年頃。
でも。
兄は家事はできないし、
仕事は美容師をしているけどまだ新人だから収入だって少ない。
多分、
そういう理由が両親は心配だったんだろう。
でも兄は頑固だった。
三月に近付くにつれて、兄は生活用品を買い集めていた。
両親も、説得を諦め一人暮らしを手伝うことにしていた。
その時の僕の心情は、まださびしくなんかなかった。
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