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一人の少年が今まさに目覚めようとしていた。
自宅の布団の中でもぞもぞと動き出す。
しかし重たい瞼はなかなか開かず、規則正しい寝息だけが聞こえてくる。
「ん~」
やっとのことで目を覚ましたのは、今年16になったばかりの高校一年生「一ノ瀬 歩」だ。
・・・また一人の1日が始まるのか
歩には家族がいない。みんな事故で亡くしてしまったのだ。
やだ。毎日毎日孤独に堪えるなんて・・・・!!
そんなことを考えながら無理やり起きると、時計に目をやる。
時刻は8時。
ちなみに土曜日なので学校は休みだ。
歩はジーパンにTシャツといった格好に着替えると、朝食も取らずに家を出た。
学校があるならまだしも、たった一人家の中にいるのは苦痛でしかなかった。
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