―誘拐―

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そんな僕を無視するお兄さん。 そのまましばらく泣き続けると、鼻が詰まってきた。 息が出来ない。 「ん~!ん~!!」 必死で助けを求める僕にようやくお兄さんは気づいたらしく、ゆっくりと近づいてきた。 「・・・何?もしかして息出来ない?・・・バカだねあんた」 フンと鼻を鳴らしてお兄さんはガムテープに手を掛けると一気に剥がした。 ビリッ!! 「いっ!!」 あまりの痛さに口を押さえる。 そしてやっと正常に呼吸ができた。 はぁ、助かった と安心したのもつかの間。 お兄さんは僕の腕を強引に引っ張り、僕の口を手で塞いだ。 「叫ばないと約束するなら今すぐは殺さないって約束するよ」 ポケットから出した小型のナイフをちらつかせて言う。
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