―誘拐―

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ガチャ 部屋の扉が開く。 勿論入ってきたのは、ボサボサ頭のお兄さんだ。 彼の名は“隆司” 彼もまた一人暮らしだ。 「また・・・・・・・寝たんだ」 隆司は歩の側にしゃがみ込むと、歩の髪に触れる。 「・・・・・ごめんな」 そう言って怪我の手当てをしていく。 歩が起きないようにゆっくりと。 歩は頭の痛みばかりで気付いてなかったが、コンクリートに打ち付けた時にできた頬の擦り傷。 そこにも、隆司はガーゼ等を使い手当てをした。 そしてもう一度歩の髪に触れると、隆司は顔を歪ませ部屋を出ていくのだった。
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