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今日は弘樹がホストとして最後の日だ。
弘樹との関係は今思うと複雑だった。
美香の件があった時は弘樹を憎んだりもした。
でも今はこうしてお互い新しい道に進み幸せになっている。
店のドアを開けると店内は満席だった。
店中に花が飾られている。
私に気が付いて弘樹がやってくる。
「亜紀待ってたよ」
「長い間お疲れ様…これ私からのプレゼント」
写真立てを送った。これから美香と2人の写真を飾ってもらう為に。
店は盛り上がりなかなか終わらない。
あまり遅くなるとしゅんが心配するだろう。
弘樹に別れを告げて店をあとにした。
帰り道は足取りが軽かった。
私は幸せだと叫びたいぐらい。
家に着きドアを開ける。
中は真っ暗だ。
寝てるしゅんを起こさないように静かに入る。
リビングに入り電気をつける。
部屋がきれいに片付いている。
わざわざ掃除してくれたんだ。
テーブルの上に封筒がある。
開けてみた。
手紙が入っている。
-亜紀ちゃんごめんなさい。
僕を許して下さい。
彼女を見捨てる事ができません。
離婚届けは出しておきました。
結婚してくれてありがとう-
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