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布施が用意してくれたマンションは自分では絶対に住めないような豪華な物だった。
揃えてある家財道具も高級品だとわかる。
「姐さん、荷物はこれで全部ですね、他に何か必要なら自分達に言って下さい」
「この辺りにスーパーある?買い物に行きたいの」
「スーパーですか…ありますけど…食事は毎日自分達が用意して持って来ますけど」
「仕事も辞めて友達にもこの事はまだ内緒なの。料理ぐらい作らないとやることないの」
「わかりました。じゃあ買い物の送り迎えだけはさせて下さい。誠!姐さんが出掛けるぞ!」
「誠くんって言うんですね、あなたは?」
「健一です、じゃあ行きましょう」
三人で部屋を出る。
健一は愛想がよく社交的な感じの人だった。
誠は私と目も合わせず愛想もない。
でも私は見逃してなかった。
誠が私の胸をチラチラと見ていた事を。
誠は私のタイプだった。
均整の取れた体をしている。
顔もかなりいい男だと思う。
布施の事は嫌いじゃない。
でも布施のセックスは好きになれそうになかった。
私はもっと優しく包み込んでほしかった。
一方的に入れて射精するだけのセックスじゃ満足なんてできるわけがない。
私の頭の中は誠がどんなセックスをするのか、そればかり考えていた。
「これからは自分と誠が交代で姐さんの家に泊まる事になります。親父が忙しい人なんで留守にする事が多いんですよ。俺と誠に世話をするようにと言われました」
「わざわざ泊まり込むんですか?毎日?2人とも大変じゃ…」
「俺達の事は気にしないで下さい。逆に姐さんの方が慣れるまで落ち着かないでしょうけど親父の命令なんで我慢して下さい」
「じゃあ今晩から?」
「はい。今日は誠が泊まります。あのマンションは家賃が高いせいかヤクザ関係が結構住んでるんですよ。何もないでしょうけど親父が心配して俺達を泊まらせる事になったんです」
私はドキドキしていた。
誠と二人きり…
運転中の誠を見た。無表情で何を考えてるのか全くわからない。
「誠くん…よろしくお願いします」
「こちらこそ」
無愛想な返事だった。
「こいつ女にめちゃくちゃもてるくせに見ての通り愛想がないんですよ~!」
健一は楽しそうに話していた。
私は誠の存在が気になって仕方なかった。
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