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買い物を終え部屋に戻る
車から降りるときに「じゃあ姐さん、自分はここで失礼します」と健一が頭を下げた。
「ご苦労様」
誠は相変わらず無表情だった
2人でエレベーターに乗り込む
沈黙が続いた。
「ご飯作るのでテレビでも見ていて下さい」
誠は軽く頭を下げリビングのソファーに腰掛けた。
私の事を嫌いなのかもと思いながら食事の支度をしていると視線を感じた。
振り向くとキッチンの入り口に誠が立っていた。
「あんたさぁ、どうやって親父に取り入ったの?」
さっきまでの礼儀正しい誠じゃなかった。
「正直…私もびっくりしてる。こんな風になるなんて思わなかったし…布施さんがヤクザだって知らなかったから…」
誠は黙って私を見つめていた。
切れ長の目がとても印象的で私は誠の顔を初めてまじまじと見た。
「あんた…今までの親父の女とはちょっと違うな」
私は黙って誠を見つめていた。
誠が私に近付いてきた。
私の髪を撫でながら首筋にキスをした。
それだけで体がカーッと熱くなる感じがした。
「親父にチクる?」私は首を横に振った。
「これは私が望んだ事だから…あなたを見た時から頭から離れなくて…」
言い終わらないうちに誠の唇が重なった。
布施とのセックスじゃ味わえなかった幸せな感じ。
バレたら大変な事になる
だけど止められなかった。
腕を引っ張られベッドルームに行く。
布施とは違い誠は優しかった。
ゆっくり私を押し倒し何回もキスをした。
優しく私の胸を弄り愛撫してくれた。
これがセックスなんだ…
幸せだった。
簡単に処女を投げ出してしまった事を少し後悔した。
誠が私の股に顔をうずめた
恥ずかしさと気持ちよさが入り混じり不思議な感覚だった。
自然と声が漏れる。誠が服を脱いだ。
布施と同じように全身に鮮やかな入れ墨が彫ってあった。
「ゴム持ってるか?」
誠が聞いた。
「持ってない」
「じゃあ今日はここまでだな」
「えっ?やめちゃうの?!」
ここまでその気にさせておいて中途半端なままやめるなんて
「やるのは簡単だけどさ、もし子供できても今の俺じゃ面倒見れないよ。お前だって困るだろ?」
確かにその通りだ。経済的な理由もそうだが、布施にバレたら大変な事になる。
でも頭でわかっていても気持ちは誠に抱かれたくて仕方なかった。
「誠くん…ゴム買いに行かない?」
私の言葉に誠は驚いた顔をしたがすぐ笑顔になり「俺が行ってくる」と部屋を出て行った
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