はじまり

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彩香は恐る恐る、ドアに手をかけた。 そしてゆっくり、ドアを開ける。 一気に視線が自分に集中するのを感じ、恥ずかしさで顔が赤くなりそうだった。 ふと目がいった教壇には、眼鏡をかけた、30代くらいであろうかと思われる女性が立っていた。 髪はぎりぎり肩につかない程度のショートカットで良く似合っている。 「遅いですね。」 少し低めの声は、怒っているからだろう。 半ば呆れたような視線を彩香におくる。 「すみません…。」 彩香はペコリと頭をさげる。
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