はじまり

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「東野さん。」 暫くの後、景色を眺めていた彩香に話しかける優子。 「ん?」 「今日は遅刻しちゃうけど…。でも高校生活は楽しみだね。」 「そうだね。」 それからは車内で、他愛のない会話をしながら、高校への夢を膨らませた。 クラスのこと、部活のこと、そして恋のこと…。 二人にとって高校は希望に満ち溢れていた。 「私、またバスケ部に入ろうかな。東野さんも一緒にどう?」 笑顔で勧誘されたが、彩香は顔の前で手を振り断った。 理由は優子と違ってスポーツが苦手だということ。 入るなら文化部系、と考えている。
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