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―――『色鮮やかに咲く桜の木の下には、死体が埋まっている』
だれが言った言葉かは判らない。
本当かどうかも知らない。
あなたは、単なる迷信で、信じるヤツなどいないと言う。
それでも、キレイに咲き誇っている桜をみると、疑わずにはいられない。
「桜の木の下を掘りに行こう」
そう、誘ったのは私。
「くだらない」
そう言いながらも、あなたは付き合ってくれる。
2人で桜の木の下を掘る。
死体は埋まってはいなかった。
あなたは言う。「当然」だと。
それなら、これからあなたを埋めよう。
そうすれば、本当になるのだから。
来年、この桜は色鮮やかに咲き誇るのだろうか?
いや、きっと、今年よりもキレイに咲き誇るだろう。
だって、私が愛したあなたが養分なのだから…。
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