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沈黙を破るように口を開いたのは春だ。
「ごめん。何でもない。隆くんどっか連れてってよぉ。」
彼女は顔を上げ、無理に精一杯の笑顔を作った。
俺はとにかく今日はこれ以上聞くのはやめようと誓い、戸惑いながらも満面の笑みで答えた。
「もち!!!」
ベンチに座っている春の手を引き立ち上がらせ、単車のヘルメットをポンッとかぶせた。
「行くぞ。」
単車にまたがりエンジンを吹かす。
春が俺に続く。
「しっかり捕まっとけよー!!」
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