100ページの日記

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雨が降るなか、戸波寛は行き着けの洒落た喫茶店でコーヒーを一つにタバコを取り出し一服していると、目の前にいきなり煙りのように大柄の男らしき人物が現れた。 らしきというのは素顔が何故か見えないから。 確かに顔はあるのだが確認する事ができない。 不思議に思っているとその大柄の男性は現れた時同様に煙りのように消え去るとともに目の前に封筒が置かれていた。 宛先人に自分の名前が書かれている。 未だその男性を不思議に思いながらも、目の前の封筒を恐る恐る開け、中身を取り出し、声に出して読んでみる。 「先ほど貴方のもとに私の使いを行かせました。人間界では死を告げる者を死神という習慣があるらしいですが、あの男性を死神と思ってくれればこの手紙に書かれた内用を理解しやすいかと思います。あなたはあと100日で死にます。死へのカウントダウンは左腕に黒く数字が書かれています。100日後、お会いしましょう。」 これは死を宣告された男の100ページに及び綴られた日記である。
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