100ページの日記

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一日目 3月23日、日曜日。雨 仕事もなく久しぶりに自由な時間を過ごしていた。 天気は雨だが仕事がない解放感からか心の中では晴れだ。 いつも朝ご飯を食べに行っているお気に入りの喫茶店へ、今日は昼食を取りに行った。 そして私は世にも奇妙な体験をした。煙りの如く現れた男性とおぼしき人間がいきなり私の前に現れるとまた煙りのように私の前から消え去ったのだ。 そして男性が消えたと同時にテーブルに私宛に手紙がある事に気づき、読んでみる。 その内用は………私は100日後に死ぬという何とも馬鹿げた内用ではないか。 しかし手紙によると、死へのタイムリミットは左腕に印されているらしいので、まさかと思いつつ袖をまくってみる。 私は目を疑った。 私の腕には確かに100という文字が浮かび上がっている。 刺青やマジックなどではなくそれは確かに《浮かび上がっている》のだ。 手でなぞってみても消える気配はなく感触もない。 さっきのあの男性といい、手紙といい、腕の数字といい全て現実では有り得ない感触に、自分は本当にあと100日で死ぬという実感が湧いてくる。 信じてはいないものの、私は今日からの100日間を日記に残す事にした。
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