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先から少し遡る。
平日の真っ昼間。
小鳥たちの戯れ。
学校をふけようとする学生。
他愛なき主婦の会話。
そんな日常の一幕に彼はいた。
『おめでとうございます!
七番台スタートしました』
という七番台のおにーさんはいくらぐらい勝つのかな? と、寒くなった財布を伴いパチンコ屋から出てきた彼は、見るからに焦燥仕切っていた。
昼間っからパチンコとは精の出ることで、
青すぎる空を眺め、ちょっひり目に染みた彼は、安西 直人(あんざい なおと)。
二十歳から二年過ぎ、ギャンブル魂が大金を呼ぶと、今日も今日とてお財布が寂しい。
将来は黒いお金に手を出すかも知れない彼は、冷たい財布をポッケに突っ込み。その場を後にした。
「……七番台、死ね」
……とても辛辣な言葉を残して、
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