孤独の戦い

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「ハァ・・・ハァ・・・」 手早く空になったエネルギーカートリッジを銃から外し、新品へと取り換える。 岩陰から僅かに顔を覗かせると、およそ200メートル離れたところで、猫科を想わせる野獣が一際高い岩の上から俺を探している。 その眼はぎらつき殺気立っていて、決して逃してはくれないなと内心で独りごちる。 体長3メートルはあるだろうか。 猫科特有の均整のとれた筋肉質の体は、美しいとさえ言える銀色の毛並みに覆われているが、残念ながらその顔はとても上品と言える作りではない。 上顎と下顎からは2対の牙が突き出し、額には角とおぼしき突起が4本生えている。 今は自分のせいで鬼の形相をしているが、普段から鬼のような形相だ。とてもペットにしたいと思う人間はいないだろう。 そして、その美しい銀色の毛並みもべったりと血に染まり、無残な有様となっている。 この生物は≪サーベリエ≫と呼ばれるクリーチャーで、かなりの強敵だ。 実際、レーザー銃「パルサー5K」による攻撃をカートリッジ(弾倉のこと)2つ分も食らったのに、尚戦意を失わず高台に身をさらして敵を探しているのだ。 生半可な胆力の持ち主ではない。 (だが・・・頭に血が上りきってるな) ──チャンスだ。一気に勝負をつけてやる。
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