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いつの間にか傍にいる
かくれんぼなんかしてないのに、ただ仕事をサボるために逃げてるのに、彼女はいつも追ってくる。
「ここまで来りゃ、流石に追って来ねぇだろィ。」
安心なんだか不満なんだか、よく自分にもわからない。
それでも、どうしてだか少しだけ期待しているのは確か。
見晴らしの良すぎる屋根の上でゴロリと横になった。
空を今日も江戸の町にはやはり似合わない異質な船が飛んでいる。
心地好い風に誘われてウトウトし出して、ついにはすっぽり夢の中。
「総悟、総悟ってば。」
「ンあ?コッキャン…?」
ユラユラと揺さぶられる感覚に目を覚ませば飛び込んでくるコッキャンの姿。
同じ黒の隊服に土方さんみたいな黒い髪。
どうやらマジ寝したらしく、太陽の位置が変わっていた。
寝ぼけたまま彼女の名前を呼ぶ。すると満面の笑みが返ってきた。
右手も伸びてきて、俺の頭を撫でる。
その心地好さにまた、ウトウトし始め再度、夢の中へと入っていった。
今度は彼女の優しい温もりと一緒に…
Fin
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