コッキャン様❤

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いつもと変わらない平和な商店街をいつもと同じ足取りでコッキャンは歩く。 そんなコッキャンの後ろを俺も何となく歩いていた。 「コッキャン!沖田君!」 とある店の前を通り掛かった時に、その店の馴染みの人に声をかけられた。 江戸の市民にとって真選組はあまり評判のイイモノじゃない。 まぁ評判が悪いのは俺達が建物をすぐに壊すからなんだけど… でもそんな真選組に対する見方も少しずつ変わってきているって最近フと思ったりする。 苺一会 「イズミチャンこんちゎ」 「コッキャン丁度イイ所に来たね。コレ見て!」 「わー美味しそうな苺」 「でしょ!?すんごい甘い苺でね、沢山仕入れちゃったんだ。どう?安くするョ?」 「それなら買おうかな?イズミチャン一山下さい。」 「いつもありがとう。オマケ入れとくョ」 「ありがとうーvv」馴染みの人から苺を受け取り振り返ったコッキャンが俺に笑いかける。 俺も口先を上げて軽く微笑み返す。 「後で皆で食べようネ」 「そうですねィ俺達が帰る頃にはきっと近藤さんも山崎も帰ってきまさァ」 「総悟土方さん忘れてるよ?」 「…そんな人いましたねィ」 「アハハッ駄目だよー仲良くしなきゃ」 微笑んだコッキャンが可愛くてほんのり顔が赤く染まった。 「その顔は反則でさァ」 小さな声で呟かれたそれはコッキャンの耳には届かず当の本人は袋に入った苺を嬉しそうに眺めている。 「コッキャン苺の花言葉知ってるかィ?」 「苺の花言葉?」 「ヘイ」 コッキャンはうーん…と考え込むようにして首を傾げた。 手に持った苺の入ったビニル袋がユラユラ揺れる。 「んーわかんない。教えてョ総悟」 「どうしようかなァ」 「えっ酷いよそれ!気になる!!」 「屯所に着いたら教えてあげまさァ」 「うー分かった」 さっきよりも気持ち早足になっているコッキャン。そんなに急がなくてもイイのに…と思いながらもそんな姿さえ可愛いと思ってしまう。コッキャンの顔をじっと見つめながら歩いていたらフと視線が重なった。そしてコッキャンはやっぱりいつもの笑顔を見せる。
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