一章

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 電車でここまで来たってことは多分俺と同じ大学だと思うから案内出来るな。  「えっと、一応聞くけど何処の大学かな?」  一応、確認。  「あ、はい、黄桃大学です」  え?お嬢様大学じゃん。  あー、降りる駅間違えたな。  「あはは、ここから歩いて行けなくもないけど。今からじゃ遅れるかも」  「ええ、もしかして私降りる駅間違えちゃったかしら」  またしてもキョロキョロと慌てだした。  「そんな慌てなくても大丈夫だよ。また電車に乗れば」  「そうですけど、もう所持金が無いんです」  …普段から一人で出掛ける事がないから現金はあんまり持ち歩いてないそうです。  って、しゃーない。  「俺が貸してやるよ」  財布を取り出して帰りの分のお金を渡してあげた。  んー、俺の財布の中もなかなか寒いな。  「本当にすみません。有り難うございます」  ぺこぺこ可愛いらしく何度も頭を下げてる。  お嬢様にして軽い感じがするなー。 金持ちの女の子の知り合いなんていないからただのイメージだけどな。  お坊ちゃんの知り合いならいるがあいつはもっと軽い。
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