無題

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全部全部 音もなく消えてゆく 此処に在る自分さえ曖昧な世界で 僕は何を見る? 伝わらない明日に叫んでる   幼かった僕の瞳には 穢れたモノばかりが映って 学び取った術は 知らず知らず 何かを蝕んでゆく   弱さは要らない 強さがほしい 何事にも動じないだけの強さ 得た代償は 小さかったのか 大きかったのか 今でもよく判らない   永久に続くような時間の中 見つけ出した手段は ただただ虚しさに溢れていた   都合のいい事なんて有り得ない 神様はいつも 僕だけ仲間外れ 周りにいる人間と同じだった 神様も誰かも信じない 頼れるのは自分だけだろう? とてもいい事を知った   ほしいモノがいつだって 手に入るとは思ってない だけど 大人達は何一つさえ 理解してくれはしなかった   時間というモノが纏わり付く 僕にとって 楽しい時も悲しい時も 進み方は同じだった ゆっくりと 何かを踏みにじっていくように   誰だったかな 他人の痛みが解らないのかって 言った人がいた 君に僕の痛みが解るのか? 可笑しくて聞いていられなかった   大人にはなりたくない 漠然と…… それでも強く思った そんな僕は消える日を夢にみる それだけで幸せだった   何もない日は 誘拐ごっこ 殺人ごっこ 自殺ごっこ 携えたナイフが まるで僕自身みたいだった   自分さえも騙し切った 作り笑顔なのに 鏡が映すのはその後ろの壁ばかり 物にさえ忌み嫌われた   数を数える 後何年何ヶ月と何日? 命日は誕生日の一日前 零時を越えれば 其処には怖いモノしかいないから   もう忘れた 何もかも忘れた 僕の記憶は 都合良く出来ている 無くなって 作られて   あの日…… あの日を覚えているかな 気が付けば 忘れてたんだ 数える事
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