199人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
「慎司さん」
黙って慎司の告白を聞いていた右京が口を開いた。
「貴方がどれだけ麗さんの事を大切に思っていらっしゃるかはよくわかりました。
しかし、貴方のした行動は決して許されるものではありません」
右京は眼鏡の奥の瞳を真っ直ぐに慎司に向けた。
「貴方は間違ってる!
何故早く彼女を守ろうと行動を起こさなかったのです?!
やれることがあった筈です!
それをしなかった時点で貴方も美由紀さんと同じ悪魔だ!!」
右京は怒りに頭を震わせた。
瞳を真っ直ぐに向けたまま、慎司に言葉をぶつける。
「何故、殺人等侵したのですか!?
彼女を大切に思うなら、どうして…!
貴方が罪を償う為に刑務所に入ってしまえば、彼女はまた一人になってしまうのですよ?!」
右京の言葉に、慎司は反論も出来ずただ唇を噛み締め涙を流すのだった。
最初のコメントを投稿しよう!