侍、マタトウジョウ!

3/4
前へ
/63ページ
次へ
『おら!痛い目、見たくなかったら金寄越しなぁ』 『や…やめてくれ!これは娘に渡す…』 『ガタガタうるせぇ!』 『ひぃ…』 侍達に刀を向けられ、男の人は震える。 「…真っ昼間から、よく出来るねぇ…しんどくないの~?」 『誰だっ』 間延びした声がいきなり掛けられ、侍達は振り返る。 そこに立っていたのは… 「オレ?白鴎 つばめ~☆」 つばめだった。 侍達は笑いだす。 『兄ちゃん、俺達に何か用かい?』 「その人のお金を返して貰おうと思ってね。子供じゃないんだからさー、人の物盗んだりするんじゃねーよ。」 『…んだと?』 「返して貰うね~」 そう言うと、つばめは消える。 侍達は目を疑った。 『…何処だっ!』 「ん?ここー。」 一瞬で侍の手から財布を奪うと顔面にパンチ。 『うわぁ!!』 一人がぶっ飛んだ。 「人の物、盗むからだよ~」 男の人に財布を返すと、つばめはにっこり。 「早く行きな~」 『あ…ありがとう!』 男はお礼を言うと、団子屋が一番安全だと思ったのか、元来た道を走っていった。 それを見届けて侍達に目線を戻す。 『くそっ…』 「怪我したくなかったら、早く帰りな~。」 『ちっ…退くぞ!』 倒れていた侍は立ち上がってつばめを睨み、他の奴らと逃げていった。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加