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「ったく…春前は変な人が多いなぁ…って、おっちゃん!大丈夫だった?」
団子屋に戻ったつばめは、さっき襲われていた男の隣に座った。
『本当に、ありがとう…何てお礼をしたらどうか…』
「お礼なんて要らないよ~(笑)それよりも、娘さんがいるんだろー?」
『あぁ…娘はこのお団子が大好きでねぇ…いつも買って帰るんだ。』
「じゃあ、お団子が美味しい間に早く持って帰ってあげなー(*^∇^*)」
『ありがとうねぇ…。あ、そうだ。』
男は何かを思い出したように鞄を探った。
『じゃあ、これを受け取っておくれ。』
そして、何かをつばめの手に乗せた。
「これ?」
『お守りだよ。遠くのお寺にお参りしてきてね、買ったんだ。貰っておくれ。』
水色の小さい巾着だった。
「別にいいのにー…」
『娘の分はちゃんと買ったから大丈夫だ。』
『貰ってあげな。』
「ん、じゃあ、有り難く貰っておくよ。ありがとうな~。」
おばちゃんと男に言われ、つばめはそれを懐に入れる。
『ありがとう。じゃあ、私は帰ろうと思う。すまなかったね。』
「今度は捕まるなよ~(笑)」
つばめが笑いながら手を振ると、優しい笑顔で帰っていった…。
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