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吉ヶ坂という地名であるだけに坂がやたらと多い。山を開拓して無理矢理作ったものだから仕方ないが、もう少し平らにできんかねと疑問持つ者が絶えない。しかし高校生にもなるとさすがに考えても無駄だと分かり、いかに楽に進む方法を考えるようになる。
通学路の途中の商店街を通らなければならない。この地域唯一のコンビニのような店がある。
(山寺商店)
世界「ちわーす。」
「…。」
世界「不在か…。」
ここの主人の山寺俊男はよく店を開けっ放しで旅に出る。しかもその間ツケでいいという今時稀有な主人だ。
メモ帳にペンを走らす。
「9/4烏龍茶140円神木世界」
壁に装着
世界「…ん?」
よく見ると知人の名前がちらほら…
「9/1オレンジジュース100円、加藤」
「9/1激辛カレーパン120円、黒澤」
「そんなに辛くないです」
「9/2オレンジジュース100円、加藤」
「9/2天然水130円、木下」
「9/3オレンジジュース100円、加藤」
「9/3メロンパン100円、黒澤」
「外も中も堅い。」
菜々子(加藤)ツケすぎ。
クロ(黒澤)感想いらない。
世界「ん?」
クロの裏にメモ用紙発見
世界「…てりゃ!」
「天然水×3、390円、箕浦」
あらあら
さすが※ツートップ!欲張りなことで
※ツートップ=この地域で日本の経済を不況に陥れる程の金持ちの2家。
一つは箕浦、もう一つはクロだ。
お金持ちなのにはーずかし!あーさまし!
ペタリ
一番目立つところに貼った。
世界「これでよし!んじゃ貰って来ます。」
飲みながら学校へ
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