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足から海の冷たさを感じる。
波が時々、俺の顔にかかり、口の中に海のしょっぱさを感じる。
身体の半分まで海に入っていた。
これで死ねると思えた。
あとは、波に自分の身を任せればいい。
それで楽になれる。
大きな波が俺を襲う。
死ねると思った瞬間、すごい力で俺は岸に向かって引っ張られてた。
次に気がついたのはさらさらした海岸の砂の上だった。
「お兄さん、死のうとしたの?」
俺より、年が若そうな男が俺を助けるため、ビショビショになった服を絞りながら、横になっている俺にそう声をかけた。
それが、優太(ゆうた)との初めて出会いだった。
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