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土砂降りで滲む夜の街を
傘もささずに独り宛もなくさまよい歩いていた
ふとみると路地裏の片隅に
ずぶ濡れの白い子猫が震えて座っていた
歩み寄ってはなしかける
「どうしたのこんなところで…」
「君も独りなのかな…?」
「わたしも独りなんだ…」
「おいで…一緒にいこう…」
ずぶ濡れの子猫を抱きかかえ温もりを感じる
「君も確かに生きてるんだね…」
暖かい場所を求めまた歩き出す
「いつになったら着けるだろうね…」
空を見上げるといつしか雨は止んでいた
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