はじまり

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朝になった   目覚めた   夢を見た       ちょっと夢の話をしようか       夢の中で布団から起きると あたり一面広大な草原だった   草原の中に布団が一つ敷いてある シュールな絵だ     とりあえず あたりを歩いてみると 気が付いたことが一つ     地平線の彼方まで草原が続いている     急に怖くなって 布団の上に座ってぼーっとしてたら 空に亀裂が走ってスキマから誰かが出てきた     予想どおりスキマ妖怪の紫が出てきた     紫「あらまぁ、こんなところに来ちゃった人間がいるのね」   ネ「…俺は寝てただけだが」   紫「ここは『夢と現実の狭間』。今の貴方は魂が具現化された姿。ここには何もないけど夢の中だから好きなものを出すことが出来るのよ」   ネ「へぇ~」   紫「現実に戻りたいでしょうから私が来たのよ。ここから普通の人間では現実に戻れないのよ。つまりずっと夢の中」   ネ「夢ならこのままでもいいけどなぁ」   紫「強制はしないけど、この世界では生き物は出せないわよ。それにいずれは貴方の本体が死ぬ。魂は閻魔の裁きを受けなくちゃならないわ。その時は確実に地獄行き」   ネ「なんで確実なの?」   紫「いろんな閻魔がいるけど言うことは大体同じ『他人や社会に貢献もしないで、自分の欲の為に終えた人生は罪が重い。地獄の厳しさに耐えてから転生しろ』ってね」   ネ「……ん~、怖いな。じゃぁ戻るよ。紫なら戻せるでしょ?」   紫「朝は弱いけど朝飯前よ。それじゃ、目を閉じて」  ネ「…ん」   紫「そうそう、これ持っておきなさい。私のお守りよ。境界の狭間に取り残された時に助けてあげるわ」   ネ「え?あ、ありがと」   紫「…いくわよ」           次に目覚めた時は自分の部屋だった     そういえば紫からもらったお守りは?     辺りを探すが見つからない   やっぱり夢だったからか?     いや、あった     机と壁の間の細いスキマにお守りがあった     紫(むらさき)の紫(ゆかり)のお守り 普通の交通安全みたいなお守りだけど 八雲って書いてある         ん? ちょっと待て     お守りがあるって事は 紫がいたって事?   紫がいたって事は 幻想郷が実際にあるって事?       つづけ    
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