出発

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さて、いざ山へと入ろう。     誰かに見つかっては 後々面倒事になる。   人がいなくなってから入ろう。       まばらに人が来る。 いなくなったと思ったら反対側からやってくる。   そんなことを繰り返しているうちに 30分近くは経ってしまった。       ネ「よし、誰も来ないな」       人通りが切れたのを感じ 素早く山へ入る。   山に入ると同時に道路から見えない場所まで一気に走る。     ネ「ここまでくれば分からないだろう」     この山の先にはきっと幻想郷があるに違いない。   絶対に逝ってやる。       と、意気込んではみたものの この山に入るのは初めてだ。   普段、道路から見てただけで こんなに奥まで、しかも一気に来た事はない。   地図すら見た事ないので 山の大きさや広さ、高低差などまったく分からない。     ネ「ま、歩いてれば何か見つかるかな?」     歩き始めてものの数秒 行く手は急な上り坂になっている。     ネ「はぁ、最近運動してないからなぁ」     運動不足はどうにもならない。 登らなきゃ幻想郷にはたどり着けない。 仕方なくきつい上り坂を歩き始める。     ネ「ダメだ、ちょっと休憩」     山に入ってからまだ5分も経っていないだろう。 だが、運動不足の体に山道はこたえる。   登って行くにつれて木の密集度が増えていく。 下を見下ろしても木しか見えない。 確かにこれでは道に迷うだろう。     ネ「はぁはぁ、どこまで上り坂なんだよ。ん?」     上り坂が終わった。 というより平らな所に出ただけでその先にはまだ坂が続いていた。     ネ「なんだ?ここ」     広さは直径10メートル程 ほとんど平らで木が一本も生えていない。     ネ「珍しい場所もあるもんだな」     この生い茂る木々で囲まれた山に空いた空間。 明らかに人為的な手が加えられて出来た場所だ。     ネ「昔はここまで人が来てたのか? ‥‥‥ん、あれ?」     開けた空間の真ん中辺りに何かが落ちている。     ネ「え、これは」     そこにあったもの それはお守り、結構新しいものだ。   しかもこれはネッサーが持っている紫のお守りと同じだ。     ネ「紫がここに来たのか?それもかなり最近だ」         つづけ  
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