モラトリアムの刻

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モラトリアムの刻

その時だけの想いに未来を任せ 当たり障りの無い不安に身をやつす   他人の深い処を望めど 不快なばかりの輪に埋もるる 現状が哭き喚く 放してよ もう二度と捕まえないで   もしかしたら目を開けたら何も 残って居ないかもしれないのに そんな黒い期待を胸に 日の出を待って居る   新鮮な何かを求めれども 幸福の影すら其処此処には 見当たらない 哭き喚く 理想郷を僕に突き付けてよ   ああ 何も残らないとしたら 僕は何に成りたいのだろう せめて高い場所に立って 朝焼けを眺めていたいかな     鳥の去って行く空には 何の余韻もひいては居ない それでも僕が見た感情 総て幻では無かったのだから 優しい嘘に惑う事も 闇に溶けたモノを取り戻すには必要だからね だから僕はいまこの先に ひとつでも何かを見出だすよ
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