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はりねずみたちの欲望
迷彩柄の欲望を着こなして見せるわ
あたしはいつだって通りの真ん中を歩く
独りは真夜中
ステータスにとり憑かれる
歪んで砕けて
幻の針鼠達が
互いを慈しんでいる
空の色が蒼天に落ちる頃
寂滅のステージで
永久の愛を歌う
迷彩柄の欲望を着こなした
あたしは独りに囲まれ詠うだけ
針鼠の針は意外と優しくって
まるでふわふわの丸に触るみたい
昨日や明日には
何処ぞの誰かを
血塗れにしていたとしても
あたしの世界にいる
独りの針鼠は
一匹たりとも血を好む奴なんて居ないのでね
迷彩柄の欲望は目まぐるしくて
少し目が疲れちゃうね
それでも人それぞれ
全部叶う訳なんてないから
せめて幻でくらい安らいでいたっていいじゃないか
迷彩を脱ぎ捨てたあたしは
日の出と共に眼鏡をかけて出勤するの
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