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工藤君に恋をしているとは言っても、
結局、私は、ただ工藤君の姿を目で追うのが精一杯で、
ずっと同じクラスでいたけれど、
会話をした事は数えるくらいしかない。
学校では、控えめな優等生を演じていたので、
男子クラスの中にいても、
ほとんど女子としか会話をせず、
男子と会話する事はなかった。
二年生も、三学期に入って、
私は、工藤君の隣の席になった。
この時ばかりは、神様に感謝した。
だけど、隣で近い分、
逆に工藤君を見る事が出来ない。
それはそれで、
私の楽しみが減ったな…っと思っていた。
だけど、そのうち、
「ね、ユウキさん。この前のレポート見せてくれないかな?」
!!!
工藤君が、私に話しかけて来たっ!!
この時ばかりは、成績が良くて良かったと思った瞬間。
「ん、いいよ。」
内心、ドキドキしながら、
答える私。
それから、工藤君に勉強を教えてあげる事が、
ちょっとずつ増え、
日常的会話もするようになっていた。
それは、普通に、自然に、
溶け込むような感じで。
「おはよう!」
の挨拶も、普通に出来るくらいになっていた。
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