結城と祐希

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「香那ちゃん、最近、よく祐希君としゃべってるね?」 お昼ご飯食べていた時。 一番よくしゃべる高崎麻奈美(タカサキ マナミ)が、 私に尋ねた。 『結城』さんって呼ばれる事も、 麻奈美が、私を『香那』ちゃんって呼ぶようななってから、 少なくなって来ていた。 「だって、隣の席だから…。」 麻奈美に、私は工藤君に対する気持ちを、 言ってなかったから、 そんな風に答える事しか出来なかった。 「祐希君って、人懐っこいもんねぇ。  話しやすいし。」 「う、うん。そうそうっ!」 慌てて返事をする私。 「香那ちゃんが、あんまり男子とはしゃべった所、見た事なくって、少し意外だったんだぁ!」 「そぉ?」 麻奈美にも、私の気持ちがバレないようにしていた私。 恋心なんて、 勤勉少女の私には、 絶対に似合わないって思っていたから。 そんな私とは対照的に、 麻奈美はすごく可愛らしく、 男子からも憧れの的だった。 スローリーなしゃべり方。 (おっとりした…とも言う。) 可愛らしい仕草。 女の私から見ても、すごく女の子らしく、 あぁ、こんな子が、きっと男子にはモテるんだろうなぁ…って、 いつも思っていた。
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