結城と祐希

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だから、数打ちゃ当たるだろうと思って、 私は思い当たる男子の名前を言ってみた。 「ぶぅ~!違うよぉ~!  同じクラスだよっ!」 え? 同じクラス? 私は一瞬、ドキッとする。 うちのクラスで、一番目立つのは…。 「…工藤君?」 恐る恐る私は答える。 そして、麻奈美の顔を覗き込むと、 「ピンポーン!!」 麻奈美は、めちゃくちゃ可愛い顔をして、 私に答えた。 うわぁ、最悪。 「だって、祐希君って、めっちゃかっこよくない?」 と、麻奈美は聞いて来るけれど、 私は、この淡い恋心を隠すのに必死で、 「そ、そうかなぁ…?」 なんて返事をする。 「香那ちゃんは、好きな人とかいない訳ぇ?」 不服そうな麻奈美は、 私が工藤君をそんなにかっこいいって思ってない事に対して、 突っ込んで来る。 麻奈美は、工藤君の事を気に入っていた事を知り、 私は益々自分の気持ちを、 誰にも言えずに隠す事になる。 「ね、ね、香那ちゃん?」 隣で呼ぶ工藤君。 私はドキッとする。 香那ちゃんなんて、呼ばれた事はなかったから、 もう心臓が爆発しそうになっていた。
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