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「んだよ、お前。
応援団だろぉ?」
ちょっと嫌な雰囲気で、森君は工藤君を見る。
私の心臓は、バクバクで、
誰かに聞こえるんじゃないかってくらい大きく鳴る。
「ん、応援団の練習が終わってから、
俺が、香那ちゃんに勉強教えてもらうんだよねっ!」
工藤君は、森君に言ってくれた。
「ちぇ…。今日は無理かぁ~。
じゃ、結城さん、また後で放課後会おうねっ!」
森君は、にっこり笑顔で、そう私に言って、
教室から去って行った。
なのに、私の心臓はバクバクしたまま。
今のって、工藤君が、
私の事を、かばってくれた…んだよね…?
「あ、ありがとう。工藤君。」
ドキドキした鼓動は止まらない。
「なんか、アイツ、やなヤツだなっ!!」
チャラい森君に向かって、工藤君が言う。
「…。」
もう、心臓が壊れそうになっていた。
「嫌なら、嫌って、ちゃんと断らなきゃ!」
そう言って、工藤君は、私の頭を、ポンッと叩いた。
「ごめん…。」
助けてくれたんだ。
やっぱり。
ドキドキしたまま、私はまた麻奈美のいる場所へと戻った。
その日の放課後。
何事もなかったような素振りで、
実行委員会に顔を出した。
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