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黙って帰るのは、失礼かもしれないって思ったので、
私は工藤君の下駄箱にある靴の中に、
置き手紙を残した。
『今日は、助けてくれてありがとう!
練習、頑張ってねっ!』
ノートの切れ端に、
そんな風に殴り書きをして、
工藤君の靴の中に入れた。
はぁ~。
今日って、スゴい一日だったな。
変に苦手な森君にひつこくされて、
それを工藤君に助けてもらって。
かなり嬉しかった。
工藤君が助けてくれた事。
そんな事を思いながら、
私は下校した。
やっぱり、私、
工藤君の事、好きなんだなぁ~。
工藤君のする一つ一つが、
私の胸を締め付けるんだもん。
やっぱり、私は工藤君に恋している。
こんなドキドキは、
他の誰かじゃ味わえない。
体育祭実行委員会になって、
ちょっと良かったかも…。
って、思ってた。
次の日の朝から。
授業が始まる前に、工藤君が私の机に来て、
「何で昨日は帰っちゃったの??」
って、言って来た。
「えっ?」
思いがけない工藤君からの言葉。
だって、あれは、森君から助けてもらう為の、
口実だったし、
口約束だったんじゃないの?
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