チャンス!!

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前みたいに…って、 きっと工藤君は、 私と2年生の最後に、 隣の席になった時に、 いっぱいノートを見せてあげてた、 アレの事を言ってるみたいで…。 麻奈美が、工藤君を気になり出してから、 私は、そんな事をするのを避けていた。 「やったぁ!  実は、俺、相当ヤバいんだよねぇ~!!」 さっきまでの工藤君とは、 また別の表情になる。 「ヤバいって?」 「香那ちゃんには分からないだろうけどさ、  今年受験なのに、マジでヤバいんよぉ。」 今度は泣く泣く私にせがんで来る工藤君。 「俺、このままじゃあ、浪人決定になりかねないんだなぁ~、これがっ!!」 まだ、先の進路を決めていない私。 だけど、この学校では、 いつもトップクラスに位置した成績だった私は、 色々と、先生が私の面倒を見てもらえて、 特別、悩む事なんてなかった。 それに引き換え、工藤君は、 いつも赤点の科目もあったし、 いつも先生には呼び出されてたし、 特別な課外授業も受けさせられていた。 「いいよ、いつでも教えてあげるしっ!」 私は、快く工藤君の勉強を教えてあげようと思った。
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