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工藤君の事が大好きで、
そんな工藤君に、勉強を教えてあげられるなんて、
こんなに嬉しい事はない。
ドキドキはする。
だけど、工藤君の為に、何か私に出来る事があるならば、
それだけで、私の存在価値がある。
毎日が楽しくなる予感がした。
それからは、ほぼ毎日のように、
工藤君は、私の授業中に書き込んだノートを借りては、
分からなかった場所を聞いて来て、
隣の席じゃなくても、
こうして勉強を教えるようになっていた。
「最近さぁ、香那ちゃん、
可愛くなったよね?」
昼休み。
麻奈美が、突然、そんな事を私に言って来た。
「へっ?」
驚く私。
別に普段通りにしていたから、
何一つ私の中では変わってない。
「何言ってんの、麻奈美ぃ~!
麻奈美の方が、断然可愛いって!!」
そう言って、私は麻奈美を叩く。
冗談にも程がある。
んな事言われたからって、
別に私は私だし、何も変わってはいないんだ。
「前から、香那ちゃんは可愛かったんだけど、
最近は特にだよぉ~!」
冗談で返す私に、真剣な顔の麻奈美。
前から可愛かったって?
誰もそんな事言ってないしっ!
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