チャンス!!

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洒落た格好もした事ないし、 最近の流行りにはめっぽう疎い。 控え目な私には、 麻奈美の言葉は嘘だと決めつけていた。 「香那ちゃん、眼鏡、コンタクトにすればいいのにぃ~!」 麻奈美は、そう言って、私の顔を覗き込む。 こんなに茶化された事がない私は、 「いいよぉ、別にっ!  今さらコンタクトにしても恥ずかしいもんっ!」 投げやりな言葉を吐く。 コンタクト、実は、親が買ってくれたんだ。 去年のクリスマスに、 親からのプレゼントとして、 コンタクトレンズは家にある。 家に帰ってからとか、 休みの日にコンタクトをする練習だって、 何度もしていた。 だけど、学校には恥ずかしくて、 眼鏡を外せずにいた。 「えっ?香那ちゃん、コンタクト持ってんの?!」 「…う、うん。」 恥ずかしそうに答える私。 「今度、コンタクトにして来なよぉ~!!」 麻奈美と、そんな話で盛り上がったものの、 私は、断固、コンタクトなんかしないって宣言していた。 この眼鏡を外してしまえば、 私が工藤君の姿を追うのが、バレてしまう。 この眼鏡は、 私にとっては、 自分を防衛する手段なんだ。
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