チャンス!!

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私は、変わる勇気なんてないし、 麻奈美みたいに恋を楽しみたいって思っていても、 それは可愛い麻奈美だから出来る事。 私なんて、 絶対に無理に決まってるし…。 眼鏡は、 本当の自分を隠す。 麻奈美にお世辞を言われても、 私は私のままなんだ。 こうして、眼鏡越しに、 工藤君の姿を追っているだけで、 毎日、密かな楽しみで、 細やかな私の幸せ。 でしゃばるつもりはないし、 少しだけ、 工藤君の近くに居られたら、 それだけでいい。 それだけで、私は精一杯。 体育祭実行委員会になれただけでも、 私にとっては、 ものすごく勇気がいった事だ。 そのお陰で、 また工藤君に、勉強を教えてあげる事が出来たんだもん。 それ以上、私は何も望まないよ。 麻奈美は、相変わらず彼氏とラブラブしてて、 最初、また工藤君と私が喋るようになったけれど、 その事については触れないから、 私は、内心、ホッとしてた。 私は、私で、 実行委員会の仕事、頑張ろうっと。 ラブラブな麻奈美は、 少し羨ましいけれど、 恋を知らない私には、 何だか遠い出来事。
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