結城と祐希

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工藤君は、クラスの人気者で、 かなりみんなから慕われていた。 目立ちたがり屋だし、 お調子者。 女子の間でも、かなり人気だったみたいだ。 成績の方はイマイチで、 よく赤点を取って追試を受けている姿を見た事がある。 一方、私の方はと言うと、 学校では、自分を作っていた。 いつも上位の成績だったからか、 クラスのみんなも、私を一目置いた目で見る。 実は、そんな風に見られる事が、 優越感で、その様に振る舞っていた。 別に、うちの両親は勉強熱心な感じではない。 だけど、中学生の頃。 頑張れば、頑張る程、成績があがり、 その成績の順位で、両親は私にお小遣いの金額を設定していた。 私は、そのお小遣いに釣られて、 頑張って勉強していたけれど、 なかなか上位になれなくて悔しかった。 いっぱいライバルがいて、手こずっていたのだ。 それが、この高校では、 そんな私が、常に上位の成績でいれる…。 何とも言えない、幸せな感覚だった。 (え?性格悪い?) それに、みんなからも、 特別扱いされているみたいで、 ちょっと嬉しかったんだ。
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