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白団の見回りが終わり、
次の団の練習場に行く最中。
「ね?香那ちゃんってば、
俺を避けてねぇ??」
不意打ちに、そんな事を言ってくる森君。
「えっ?」
内心焦った。
本当の事を言えば、
もちろん私は森君を避けていた。
男子とあまり喋った事もない上に、
馴れ馴れしくする森君の態度には抵抗がある。
「まぁ、いいんだけどねっ!」
と、つまらなそうに答える森君。
森君は、私だけにじゃなく、
実行委員会の女子とは大抵仲良くしていた。
チャラいだけあって、
かなり女の子が大好きみたいな感じ。
最後に見回りしたのは、青団。
工藤君のいる応援団。
先週と同じように、私と森君は、
タイムウォッチを片手に、
演舞の時間を計っていた。
やっぱり、私は工藤君しか見ていない。
たくさん応援団がいる中で、
私は工藤君だけ見ていた。
そんな演舞を見ている最中、
私の隣にいた森君は、
私の肩に身体を寄せて来て、
「ねぇ、香那ちゃんは、
本当は工藤が好きなんじゃないの??」
誰にも聞かれないような、囁く声で、
突然、私に言う。
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