急接近

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「今度は、ちゃんと見ててよなっ!」 !!! 不意打ちに、 工藤君は、私のオデコを叩き、 そう言った。 「っ?」 森君の言葉に、動揺しまくっていた私。 工藤君に、そんな風にされて、 益々、私は動揺しまくりで…。 ちゃんと見てて…って、 私が、森君の言葉に動揺していて、 演舞の練習を見ていなかったのが、 工藤君にバレてたみたいで。 また、仕切り直しで、 応援団のみんなが、 演舞する体勢を整える。 「はぁい、じゃ、計るからっ!」 隣で、森君が、 もう一度、タイムウォッチを掲げて、 応援団のみんなに声をかける。 今度は、ちゃんと演舞を見ていた私は、 まだドキドキしたまま。 動揺を、必死に隠していた。 輝いて見える工藤君の演舞する姿。 胸が、キュンってなる。 なんだろ。 身体の内側が、締め付けられる。 一生懸命な姿。 普段の教室では見た事ない、工藤君の姿。 いっぱい、いっぱい、 色んな工藤君を、 私の目に焼き付けたい。 「はいっ!!  今度は、7分12秒でしたぁ~!」 タイム結果を、すぐに森君がみんなに報告。
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